カクテル作りのベース・一般的なお酒の基礎「ビール」
ビールの製法や特徴
麦芽、ホップ、水が主原料
麦芽、ホップ、水を主原料とし、酵母で発酵させ、ろ過してつくる。
- 麦芽・・・大麦を水に浸し発芽させ、途中で乾燥させて発芽を止めたもの。二条大麦や六条大麦を使用。
- ホップ・・・クワ科のつる性多年性植物。苦味成分のもと。
アルコール飲料の中で、消費量トップ
アルコール飲料の中で、トップの消費量がビールで、ドイツ、イギリス、アメリカ、ベルギー、デンマーク、日本などでつくられる。
ビールの歴史
誕生は、紀元前3~4千年前
人類が、農耕生活を始め、大麦や小麦をつくり、その中で偶然、自然発酵してできたのが誕生の瞬間と言われる。しかし、現代のビールとは異なり、薬草や香草を加えたもので、後に『グルート・ビール』と呼ばれ、長い間ビールの主流であった。
『ホップ・ビール』の誕生
13世紀に、ドイツで、ホップを多量に使用した『ホップ・ビール』が誕生。『グルート・ビール』と激しいシェア争いをしたが、1516年の「大麦、ホップ、水を醸造して作ること」という『ビール純粋令』で、「グルート・ビール」は衰退していく。
ビールの近代化
19世紀、リンデの冷却機の発明と、パストゥールの低温殺菌の発明で、ビールの長期保存が可能になる。さらに、ハンセンが純粋培養酵母を開発したことで、より品質の良いものができるようになる。こうして現代に近いビールが誕生し、世界に普及していく。
ビールの語源
6~7世紀、北フランスの修道院で、ラテン語で飲み物という意味の『ビベル』が、フランス語で『ビエール』、ドイツ語で『ビア』というように呼ぶようになったのが起源といわれる。
ビールの種類
明確な分類方法が決まっているわけではないが、発酵の方法や、色から見た分類などがされている。
発酵方法による分類
- 上面発酵 ・・・苦味とコクが濃厚、常温で発酵、イギリス型
- 下面発酵 ・・・苦味が少なく、すっきりライト。低温(5℃~10℃)で発酵、ドイツ型。現在の主流。
いろいろなタイプのビール
- スタウト・・・原料に砂糖も加わり、ローストした麦芽の香り、ホップの苦味がこいい。上面発酵。黒い色のビール。イギリスのギネスなど。
- ペールエール・・・ホップの苦味の利いた、淡色ビール。上面発酵。
- ヴァイツェン・・・小麦麦芽を50%以上使用。上面発酵。
- ピルスナー・・・ホップの香りが高い淡黄色ビール。日本も多い。下面発酵。
- 黒ビール・・・高温で長時間ローストした麦芽を使用するため、濃褐色になったビール。下面発酵。
- エクスポート・・・苦味は少なく、中濃色。下面発酵。
- ヘレス・・・苦味の少ない、ドイツの淡色ビール。下面発酵。
※生ビールは、熱処理していないもの。
※ラガー・ビールは、温水シャワーを浴びせ、低温で貯蔵し、保存のきくようにしたもの。