バー開業バイブル、上級編・第48章・第1節
カクテルの改良・ピンクレディの場合
さて、いよいよ、オリジナル・カクテルの創作などにも必要な能力を磨く、基礎を習得するところまで、やってまいりました。
オリジナル・カクテルを創作するのに、ただ、適当に、さまざまなスピリッツやリキュールを混ぜあわせ偶然、美味しいものができれば完成!などというのは、ありえない方法です。
もちろん、この教材を学習された方は、すでに、DVD10枚目ですから、十二分に理解して頂いている事でしょう。
さまざまな基礎を身につけた上で、初めて、オリジナル・カクテルを創る技量ができるわけで、基礎を身につけずに、独創性を追求するなど、ナンセンスです。
それでも、ちまたの多くのオリジナル・カクテルで、基礎を考えずに、適当に、作成しているな~と思うものもあります。
基礎を身につける作業は、知識を吸収する作業も含め、かなり、面倒で、きつい作業を伴うため、敬遠されがちですが、遠回りに見えて、最も、能力が向上する最短コースなのです。
さて、この節では、これまでお話した基礎を踏まえた上で、定番のカクテル「ピンクレディ」の改良方法についてお話しています。
まさか、プロで、このカクテル「ピンクレディ」を、ちまたのカクテルレシピと同じに作成する人はいないと思いますが、ちまたのカクテルレシピ通りだと、何ともまずいカクテルになります。
ネーミングでカクテルを注文なさる方も多いでしょうが、この「ピンクレディ」は、ネーミングで選んで「失敗!」と思われる方が多い、カクテルの一つでしょう。
もちろん、プロ仕様の作り方を理解しているバーテンダーであれば、美味しいカクテルに仕上がります。
どのような基準で、改良を加えれば、美味しいカクテルになるのか?
こうした基準を説明するのに、最適のカクテルです。
もちろん、カクテルは、材料や分量を、ほんの少し変えただけでも、カクテル名が変わる!ということになっていますが、
私的には、一番に、美味しいカクテルに改良する事が大切と思っていますので、こうしたルールには、こだわっていません。
全てを理解したうえで、行っている改良であり、こうした事は、さまざまなバーテンダーの方の技量が問われる部分だと思っています。