バー開業バイブル、上級編・第44章・第3節
第3節・「中国酒」について
さて、猛烈な勢いで、駆け上がってきた「中国」
ぼつぼつ、陰りも、見えつつありますが・・・
最も、中国酒にふれる機会が多いのは、中華料理店ですかね?
紹興酒を召し上がった方も多いのでは。
他にも、さまざまなお酒が、あります。
今後、「食の分野」で、もっと、信頼度が増せば、日本のバーでも、もっと、普及するかもしれません。
あるいは、中国の富裕層の観光客相手に、普及するようになるのかも?
「バー開業バイブル」の教材も、中国人と思われる方の購入も、ちらほら、あります。
日本人特有の「カクテル」に対する、こだわりを、どのように理解して頂けるか?分かりませんが・・・
少なくとも、日本で開業される限りは、日本人の味覚にあう「カクテル」の作り方を、身につけて頂ければと願っています。
国によって、味覚に対する感じ方は、随分違うはず。
もちろん、外人の多いバーでは、世界標準で考えなければなりませんが、通常は、海外の有名カクテルレシピやカクテル教本よりも、日本人に合わせるカクテルの作り方を、考慮すべきだと思います。
レシピまかせではなく、レシピを自分で咀嚼・分解し、自分なりの解釈で、さらに、お客様、それぞれにあわせたカクテル、さらに、徹底した、究極・至高の一杯を求めて・・・
本来は、そんなところまで、突き詰める事ができる国柄だと思っています。
ただ、それに見合う社会環境が整っているか、そうでないなら、見合う顧客層のいらして頂けるポジションでない限り、こうした究極を追い求めるのは、経営的に、通常無理です。
特に、今の時代は、一般的には、こうした環境にない事は、自明の理です。
それでも、経営を考慮したうえで、価格以上のカクテルを提供する知識・技術は、身につけておくべきだと思います。
最高を知ってこそ、価値と価格のバランスを見ることができるわけで、そこに、経営という視点を加えることができるようになるのです。
ただ、マニアになり、究極だけを追い求める事は、バーを経営するという点では、あきらかに、無理がきます。
なぜなら、それが究極である事を、理解できるお客様が必要で、そうしたお客様だけで、経営を成立させるには、かなり高額な金額を頂かないとならなくなります。
だからといって、高額な金額を支払うことだけに価値を見出されるお客様では、意味がありません。
こうした事を、高級店だったころに、つくづく感じていました。
高額なお酒を召し上がる事ができる人が、その価値を知っているわけではありません。
しかし、店を愛して下さっているのは事実。
ですから、そのお客様に、価格以上のカクテルを提供する事。
これが、バー経営における、カクテルの作り方の基準のように思います。
だからこそ、私は、さまざまなバーを経営なさっていらっしゃる方を、心から、応援できますし、理解できます。
オーセンティック・バーだけが、バーだとは思っていません。
もちろん、私の考え方ですので、他の考え方もあると思います。
そこに、議論の発生する余地はありません。
今日は、何だか、脱線しすぎて、だらだらと書いてしまいました。
収集のつかなくなる前に、終了します。
若輩者の、たわごとです。
どうぞ、本日の記事に対する、ご叱責はお許し下さい。