バー開業バイブル、上級編・第44章・第1節
「焼酎」について
さて、今さら、説明の必要もないのですが、「焼酎ブーム」がきた時には、びっくりしたものです。
若い方は、当たり前と思っていらっしゃるかもしれませんが、私が、若かりし頃は、焼酎を好んで飲むことはありませんでした。
まして、バーで、焼酎を置いているところなど、考えられませんでした。
もちろん、ここでいう「焼酎」は、「本格焼酎」のことです。
焼酎のなかでも、カクテルに使用する焼酎は、置いていました。
「本格焼酎」とは、種類が違うものです。
この種類の焼酎が、脚光を浴びたのは、あるメーカーの戦略のおかげです。
焼酎であることを、全くアピールせず、若者に人気のあるアイテム!というポジショニングを創り出していったのです。
当時、焼酎の種類だと思って飲んでいる人は、ほとんど、いなかったように思います。
それが、今では、「本格焼酎」を飲むこと自体が、当たり前に・・・
さまざまな会社や人の努力の結果でしょう。
焼酎ブームが到来した頃、それまで、銘柄も含め、あまり詳しくなかった私は、いろいろ勉強したものです。
ある会社の後継者の方の努力を掲載した書籍に感銘を受け、一時期、この会社の焼酎を、よく飲んでいた記憶があります。
何事も、うまくいくまで、あきらめずに努力する事が大事だと、あらためて、自分自身と重ね合わせながら、この焼酎と向き合い、飲むお酒は、美味しいものでした。
ただ、酔えばいい・・・という飲み方も、もちろんOK。
でも、たまには、そのお酒が誕生した歴史に、思いをはせて飲むお酒も、美味しいものです。
私は、この会社と後継者の方の心意気で、芋焼酎を、飲めるようになったようなものです。
もし、あの時、あの本に出会わなければ・・・・・
人生は、不思議な縁で、できているものですね。
今日は、久々に、芋焼酎が飲みたくなりました。